熱帯魚を飼育していると熱帯魚の病気に遭遇することがあります。
中でも遭遇する確立が高いといわれる病気に『白点病』があります。
熱帯魚の飼育経験のある人なら、一度は経験しているかも知れません。
白点病は人間の風邪のようなものと言われるほど、ポピュラーな病気であります。
しかし、白点病は一度感染してしまうと、伝染力も強く、処置を誤れば水槽内の
飼育魚が全滅してしまうほど、やっかいな病気ともいえます。
白点病対策の文章はネットでもよく見かけますが、白点病のメカニズムをしっかり理解し、
正しい知識で早期の治療がとても大切です。
人間の風邪と同じくひき始めが肝心ってコトですね。
白点病とそのメカニズム
イクチオフチリウスという繊毛虫が魚に寄生することにより引き起こります。
この病原虫は、もともと魚に寄生している場合もあれば、水草や他の生体に付着して
侵入する場合など、様々な侵入リスクが考えられます。
そのことから、水槽内には様々な理由で潜在するとされ、水温や水質の急な変化により
抵抗力が落ちた魚に寄生することで発症します。
病原虫は魚体に寄生後、魚体の中で成長したのち、魚体を離れて分裂し増殖し、
再び寄生を繰り返します。
この行動サイクルが、環境にもよりますが4~5日の間で繰り返されます。
一旦、水槽内で蔓延してしまうと元気な魚にまで寄生しはじめ、早ければ一晩のうちに
全ての魚に感染してしまうこともあります。
寄生された魚はそのまま放置しておくと、徐々に衰弱していき、やがて死に至ります。
この病原虫は25℃以下の低水温を好み、活発に繁殖していきます。
逆に高水温の環境ではその繁殖力が弱まります。
白点病の治療方法
さて、私の場合の白点病の対処方法について書いてみます。
まず、白点病の鷹の爪療法(唐辛子)はあくまでも民間療法なので私は推奨しません。
人間の風邪と同じく、迷わず薬の投与を行います。
魚の病気も人間と同じく早期発見、早期治療が何よりも大切なことです。
もし白い小さな点を見つけたら、迷わずに魚病薬を使用しましょう。
次に、水槽内で白点病が発生した場合、あえて魚を隔離しません。
理由としては、魚を隔離のうえ薬浴治療しても、結局のところ病気の根源は底床や
ろ過槽などで生き延びている可能性があるということ。
根絶するためには、底床やろ過槽、水草や飼育水まで全てリセットする必要がある。
病気は水槽システム全体から根絶しないと意味がないというのが私の考えです。
■白点病の治療手順
①水槽の水を1/3程度換水します。
②『マカライトグリーン アグテン』を規定量投与します。
③ヒーターを利用して水温を3度くらい上げます。(私の場合は28度に設定します)
本来は水温を30度に設定すると病原虫が死滅するので理想なのですが、他の生体や
水草への影響を考慮して調整して下さい。
④CO2添加している場合はCO2添加をストップし、エアレーションを実施します。
病原虫は体の表面からエラの中まで寄生しており、魚の呼吸困難を引き起こすため、
エアレーションで魚の呼吸困難な状況を少しでも改善してあげます。
これだけでも白点病が治癒する確率が大幅にアップしますので、治療が終わるまでの
期間は24時間のエアレーションとします。
③2日後に水槽の水を1/4ほど換水し「マカライトグリーン アグテン」を規定量投与して
2日間様子を見ます。
④更に2日後、水槽の水を1/4ほど換水し「マカライトグリーン アグテン」を規定量投与して
2日間様子を見ます。
⑤白点病のサイクルは4~5日くらいなので、早い場合は1週間で完治します。
状況を見て、完治したと判断できたらエアレーションと水温を通常稼動に徐々に戻します。
しかし、まだ白点が少し残っているようで心配な場合は、1/2の水換えをして、
『マカライトグリーン アグテン』を換水した分の規定量を足し、もう1週間様子を見ます。
私の場合は、心配性なので上記方法を2週間掛けて完治させています。
白点病の治療まとめ
■鷹の爪療法(唐辛子)は民間療法なので推奨しない。
■少しでも白い斑点を見つけたらマカライトグリーンを投与。
■白点虫は水槽内に潜在するため飼育水槽に薬投与。(隔離しない)
■基本は換水とマカライトグリーンの規定量投与。
■マカライトグリーンは水草やバクテリアへの影響はない。
■白点虫の行動サイクルは4~5日、水温25度以上で繁殖力が弱まる。
■水槽環境は24時間エアレーション、水温26度以上に調整する。
■換水&マカライトグリーン投与で2日間様子見。(2~3回繰り返す)
■完治するまでの期間は1~2週間。
私が始めて白点病と遭遇した時は白点病の知識もなく、薬品への抵抗と水草への影響を
心配して、民間治療で有名な鷹の爪(唐辛子)を使う方法を試したのですが・・・
結果的に白点病への効果は全く見られず、モタモタするうちに飼育魚全体に伝染させてしまい、
ろ過バクテリアまでにもダメージを与えてしまって、その結果コケまみれの酷い水質へと散々な
目にあいました。
白点病の鷹の爪療法は効果があるという人も居ますが、あくまでも民間療法です。
今の私は人間の風邪と同じく、薬の投与を行います。迷うことはありません。
間違った知識で病状を悪化させ、感染を広げ、水質までダメにするなんてゴメンです。
どんな病気でも人間と同じで早期発見、早期治療が何よりも大切なこと。
もし白い小さな点をわずかでも見つけたら、迷わずに魚病薬の使用を強くお勧めします!
小さな生命を救えるのは、自身の決断力と行動力です。
熱帯魚関連記事INDEX
熱帯魚図鑑 カラシンの仲間
ネオンテトラ、カージナルテトラ、ラミーノーズテトラetc混泳に適した熱帯魚を解説
ラスボラ、ミクロラスボラ系の混泳に適した熱帯魚を解説
熱帯魚図鑑 メダカの仲間
アフリカンランプアイ、ミッキーマウスプラティetcの特徴や飼い方を解説
熱帯魚の飼い方 準備編
はじめての熱帯魚飼育のために最低限必要なモノをまとめました
熱帯魚の飼い方 導入・日常管理・病気対策
熱帯魚の飼育方法、水合わせの方法、エサの量と頻度、白点病など病気対策
熱帯魚の飼い方 魚別INDEX
魚別に飼い方や水質、水温、コツまでをわかり易く解説
0 件のコメント:
コメントを投稿