レッドファントムテトラとは?
コロンビア、オリノコ川原産のカラシンです。
赤く透明感のある体色と黒の大きなスポットが入る美しい魚で、オスは背ビレと尻ビレ
が大きくなります。水草水槽に良く映えることから水草レイアウトの広がりとともに人気
になった魚です。
古くから数タイプ流通することが知られ、背ビレの模様や体側のスポットを差異とする
場合が多いです。一般に若魚では白、黒、黄の背ビレが見られますが、成熟し背ビレが
伸長した個体は背ビレ先端の白い部分が目立たなくなり、さらに発情すると背ビレの黒
い部分まで赤く染まります。
背びれがピンとして体高があり、飼い込むうちに鮮やかな赤を発色するレッドファントム
の容姿は実に立派で、小さいながら混泳水槽でも主役級の存在感を放ちます。
また、同種間で見られるフィンスプレッディングは見ごたえがあります。
レッドファントムテトラの飼育要件・水温・水質・餌
最大体長 → 5cm
温度 → 20~25度
水質 → 弱酸性~中性
餌 → 人工飼料、生餌
飼育難易度 → ★☆☆☆☆
レッドファントムテトラ飼育のポイントと混泳
レッドファントムテトラは水質に対して敏感ではないので飼育は容易です。
また他のカラシンと比べ、比較的病気にも強いです。
性格は温和なので他種との混泳にも適します。
また、同種で群れますので、まとまった数を入れて群泳させると見ごたえがあります。
赤い発色を引き出すには弱酸性の軟水に調整すると良いです。
混泳に相性がいいのは、ブラックネオン、ラミーノーズテトラ、アフリカンランプアイなどの
小型魚種が最適です。
ブラックネオンとの混泳は、色あい的にお互いが美しさを引き立て合います。
ラミーノーズテトラとの混泳は、お互い群泳する性質があるので見ごたえあります。
アフリカンランプアイとの混泳は、ランプアイが上層、ネオンが中層を泳ぐ性質があり、
水槽内の各層をお互いが住み分けし、生体バランスも見た目もまとまります。
レッドファントムテトラの繁殖
ワイルド個体での繁殖例は多くないので困難かと思われますが、ブリード個体から
であれば繁殖は十分に狙えます。
メスはふっくらとした体型を持ち、十分に成熟したオスは盛んにメスを追うようになります。
バラ撒き型の産卵形態です。
レッドファントムテトラの病気
◆白点病
【症状】 体やヒレに小さな白い斑点が付着し、放置しておくと体じゅうが斑点で覆われ、
それを取るように魚は体を壁や木にこすりつけます。
そのまま放置しておくと、魚は次第に衰弱していき、やがて死に至ります。
【原因】 イクチオフチリウスという繊毛虫が寄生することで発病します。
水温の低下などストレスがかかる環境で魚が衰弱した際にかかりやすい病気です。
【対策】 早期発見により完治できる病気です。
多めに水替えすることと、マカライトグリーンアグテンの投与を行います。
水温は30度にすることが望ましいですが、水槽の他の生体も考慮し、水温は26度以上
30度未満が良いです。
市販薬はマカライトグリーンアグテンを投与して下さい。
薬浴は隔離ではなく飼育水槽内で規定量を。2日後に水換えを行うというサイクルを
1~2週間繰り返します。
鷹の爪を水10Lに対して1本の割合で入れる「鷹の爪療法」もありますが推奨しません。
白点病の詳しい説明と治療方法の特設ページはこちらのリンクをご覧下さい。
◆カラムナリス(尾腐れ病、口腐れ病、エラ腐れ病)
【症状】 各ヒレが溶けるように徐々に消失してしまいます。
体に白カビのようなものが見られ、初期症状から他の場所に転移します。
水面に口を出し息苦しそうに泳ぐようになり、エラに症状が出ると酸欠となり死に至ります。
【原因】 フレキシバクター・カラムナリスという細菌に感染すると発病します。
水質が悪化していると菌が繁殖しやすくなります。
15~25度の水温でよく発生する病気で、感染力はきわめて強いです。
【対策】 伝染病なので早期発見が望ましいです。
水換えによる水質改善を最優先として考えます。
治療にはフラン剤系の治療薬が有効で、感染魚は隔離のうえ薬浴します。
それと並行して0.5~1%の塩浴も効果があります。
◆ネオン病
【病状】 タンパク質を分解する酵素を生産するため、尾ビレで繁殖した場合は腐っていく
ように見えます。体にツヤがなくなり、徐々に痩せて行きます。また、背ビレの一部から
出血を伴います。
水面に口を出し息苦しそうに泳ぐようになり、酸欠症状を示します。
群泳の環境下では単独でいることが多いのも特徴です。
【原因】 フレキシバクター・カラムナリスが魚の筋肉内で繁殖した為に起こります。
筋肉の薄い小型種に発生します。
【対策】 感染魚は隔離のうえ、市販の薬(グリーンFゴールドリキット、パラザンDなど)を
投与します。また、0.5%の塩浴も有効です。
ただし、この病気は筋肉中で細菌が繁殖するため、治療は困難で完治は難しいです。
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